こんにちわ、勇(いさむ)です。
2025年秋、クマの人里への大量出没を受けて、町中でも熊鈴をつけて歩いている方をよく見かけます。人通りも心做しか減っているような気がして、クマが社会問題となっていることは間違いないです。
クマ対策としてクマ鈴を付けたり、熊スプレーを持ち歩く人が増えてきました。
ただ、多くの人はこれらクマ対策グッズを持って安心しているのではないでしょうか。クマ鈴を持って鳴らして歩いているだけで、クマは絶対に近寄って来ない、クマ鈴はそんな魔法の道具ではありません。また、クマ鈴を付けた人で、私ならそこには近づかないと思う危険度の高い場所を平然と歩いている方も見かけます。
本記事では、私のこれまでのクマとの遭遇経験に基づいた、クマの回避行動、クマと遭遇した時の対処方法、クマ対策グッズの使い方をまとめてみました。
この記事では、ツキノワグマの回避行動や遭遇時の対処方法、クマ対策グッズの使用方法を紹介しております。これは執筆者の経験に基づくものですので、あくまで参考程度に留めてください。ここで紹介する手法・対策を実行されてもクマに襲われないとは限らないので、ご理解いただきますよう、よろしくお願いします。
また、クマに出会ったことがない方が具体的にイメージできるように、詳細な記述を心がけています。あくまで執筆者がこれまでクマと出会った経験に基づき、紹介している対策でありますので、地域によっては熊の特性が異なる場合もあります。
最後に、ここで書かれていることを実行しても万一事故にあわれた場合、本ブログならびに執筆者は一切の責任を負いませんので、そのあたりご理解いただきたく思います。重ねてになりますがあくまで参考程度としてください。

目次
クマの能力と生態
クマの優れた嗅覚と聴覚
クマの聴覚と嗅覚は人に比べて非常に優れていると言われます。
クマの嗅覚は犬の7〜8倍、人と比較すると数百万倍〜数億倍(犬の嗅覚が人の100万〜1億倍として、その7〜8倍)と言われます。風向きにも依りますが、およそ5km離れた場所の獲物や死骸の匂いを嗅ぎ分けることができるそうです。
一方、聴覚に関しては、人や犬の◯倍という比較情報は手に入りませんでしが、高音に敏感で、低音に鈍感という特性を持つことが調べてみて分かりました。
クマの聴覚と嗅覚は人の比じゃありません。クマと人どちらが先に他方を発見できるのか?という問いは、クマであることにほぼ間違いないでしょう。

深夜や早朝の行動
日の出・日の入りの時間帯を黎明薄暮(れいめいはくぼ)といいます。私のこれまでのクマ遭遇時の記憶を思い返すと、この黎明薄暮の時間帯に多くのクマと遭遇してきました。

日の出・日の入りは薄暗く、街灯が設置されたところでは多少明るいものの、影の濃い場所は暗く、視界が良好とは言い難いです。クマの体毛は黒色で暗闇の中で動いていても、気づきにくいです。これを利用してクマが黎明薄暮に行動しているのかはわかりませんが、暗がりに乗じて移動することのメリットを理解しているような気もします。
そのため、クマの出没が活発になる晩夏から晩秋にかけては、本当に必要な時を除いて朝方や夜間の外出・行動は控えたほうがいいでしょう。
また、お日様が昇っている昼間であっても油断は禁物です。クマの行動は朝や夜だけと決めつけて、注意散漫に行動しているとクマに襲われる可能性もあります。
思い込みや決めつけは、物事に潜むリスクを覆い隠してしまいます。常にどういったリスク・危険があるのか、それを想定して、またその対策まで考えて行動することが万が一クマに会ったときに無傷で生存する確率が上げることにつながります。
クマ鈴の分類と使い時について
クマ鈴は、離れた場所にいるクマに人の存在を音で教えてあげることができます。
私はクマ鈴を2種類に区別し、音色によって分類しています。
1つはカウベル型で「ガラン、ガラン♪」と牧場の牛がつけている鈴の音が鳴るものです。もう1つは「リーン!」と響き渡るような澄んだ音が鳴るものです。
クマ対策グッズの紹介記事にも記載していますが、私は後者の「リーン」と澄んだ音がでるタイプのクマ鈴をおすすめしています。この音色だと遠くまで響き渡るので、クマに少しでも早く気づいてもらうようにするためです。
また、クマ鈴にはサイレンサー機能が付いている鈴もあります。私は必要のないところでは鈴を鳴らしません。
クマは”軍の精鋭の特殊部隊”と比喩され、無音で行動し、恐ろしく速い速度で襲ってきて、また撤退(逃走)したりもします。また、こちらからクマを先に見つけることも難しいです。まてまて、だからこそどんなときでもクマ鈴を鳴らさなくてはならないじゃないのかと、考えるかもしれません。
ほぼ無音で行動するクマでも、その行動に伴って小さいけど必ず音を発します。例えば、「ハッハッハ」という息遣いや、「ゔぅ〜」という唸り声、「ガサガサッ」と草が揺れる音、「バキバキ」と木の枝が折れる音などです。

こうしたクマが発する音はクマ鈴によってかき消されることが多いので、私は見通しが良くて、安全を確保できている場所ではクマ鈴のサイレンサー機能をオンして、あたりを注意深く見渡して行動しています。
また、川や渓流の近くでは水の流れる音によってクマ鈴の音やクマの発する音が聞こえないので、河川敷で散歩などする場合は、クマ鈴の装着有無問わずに注意が必要です。
通勤路や通学路でのクマ回避行動指針
どの道・道路も一括りに安全、危険とは決めつけることができないところが歯がゆいです。地形によって千差万別であり、近くに山や川はあるのか、草が生い茂っているのか、周囲の自然環境によってクマが通過する、現れる可能性も変わります。


ある程度クマの観察に長けた者であれば、周囲の環境を観察して、クマの痕跡や行動予想などできるかもしれませんが、知識の乏しい一般人には難しいものがあります。
クマとの遭遇リスクがあるのは、就学者や社会人などの朝方や夕方における通勤・通学のときです。特に就学している学生さんは車を持っていないので、常に生身を晒して行動することになるのでクマへの恐怖は大きいでしょう。
例えば、里山が集落の裏にある、連峰や大山が近くにある、また山地と裏山が陸続きに繋がっている、いわゆる緑の回廊のような状況になっている場合は、秋に食べ物が不足するとクマが移動してきて遭遇する可能性が高まるので注意しないといけません。
通学・通勤時間中に時間を有効利用するため、イヤホンで英会話を聞いて自己研鑽に努めたり、音楽を聞くなどして楽しんでいる人も多いでしょう。また、スマホのゲームに集中して目線が手元に集まる、いわゆる、ながらスマホをして前を見ずに歩く人もいます。
こうした電子機器の利用によって周りからの音や視界を遮断している方は、すぐ近くにクマがいても気付けない場合があります。突然クマが出てきた場合、おそらくパニックになって適切な対応を取ることが出来ないでしょう。
クマはスピードも速く、その速度は50km/hに達するとも言われています。遠くからでも簡単に距離を詰めてきますし、短距離だとその俊敏な動きに人が反応するのは難しいでしょう。
朝方ならば明るく、視野も確保できているので、娯楽や自己研鑽に集中しても構わないと思いますが、視界が狭くなる夜間では、イヤホンで音楽を聞いたりして聴覚を遮断することは、リスキーな選択と言わざるを得ないでしょう。
かくいう私も、朝の通勤時はイヤホンをつけて音楽を聞きながら歩いて職場に行きますが、夜の帰宅時はイヤホンは付けずになるべく周囲を見渡して注意深く足早に帰宅するようにしています。もっといえば、夜遅くまで職場に残っていないで、夕方の時間帯に帰宅できるように効率的に仕事できればベストですね。
隠れているクマを退散させるクマ鈴の応用術
人より優れた聴覚と嗅覚を持つクマは、人を先に見つけた場合、相手との距離にも依りますが、身を隠すことで気配を消してやり過ごすこともあります。
このような状況の中で不幸にも人がクマの潜んでいる方へ向かって進んでいった結果、クマが焦り、またパニックになり人を襲ってしまったなんて、洒落になりませんよね。
クマは四つん這いになって移動している時や、草むらに伏せていると簡単に体が隠れてしまいます。また、隠れている時のクマは決して音を出さずに静かにこちらの行動を伺っているものです。こんな状況だと人がクマを見つけるのは困難です。

ここまで聞いたら、もう無理ゲーじゃんって思うかもしれませんが、皆さんにはまず自分が今から向かおうとしている道をよく観察して欲しいです。観察の目的はクマを見つけるのではなく、クマが隠れそうな草むらや草藪を見つけることです。自分の膝丈より長い草むらがある場合、クマが身を隠していることが考えられるため注意を払ってください。
車で移動している時も油断なりません。車から降りたときに、周囲に草藪や草むらがある場合、クマが潜んでいるかもしれないと警戒を怠らないようにしましょう。
このようなクマが潜んでいそうな場所があって、もしクマ鈴を持っていた場合は、その場所に向かう、また通過する前にその場でクマ鈴を手に持って思いっきり振って大きな音をだしてください。私の経験上、いきなり大きな音をだせば、よほど至近距離でない限り、クマは驚き逃走を選択するものです。
車から降りた場合などでは、いつでも車に戻れるようにドアを開けた状態で実行してください。また、徒歩の場合、安全地帯となる車に逃げることができませんので、そんな時は大きな木や電柱の陰に身を隠すと良いでしょう。
以前、私が山で探索を始める時、車から降りてすぐにクマ鈴を鳴らすと、近くの茂みでガサガサッ!とものすごい勢いでなにかが遠ざかっていきました。おそらくクマだったのでしょう。
クマの存在に気づかずに、クマ鈴を弱々しく腰から鳴らしているよりは、一度クマ鈴を手に持って大音量でガッツリ鳴らして、自分の存在を最大限にアピールしてから、見通しの悪い道を警戒して通るようにしましょう。
また、クマが潜んでそうな危険箇所が観察の結果からわかっており、時間がかかっても許されるのなら遠回りを選択するのも手です。見通しの良い道路を選択すれば、いきなりクマと遭遇せずに移動できるため、代替案として検討すべきでしょう。
私の過去のクマひやりエピソード
過去に田んぼのあぜ道から樹木を観察していた時、田んぼに背を向けていたのですが、突然ガサガサッ!と音がしてとても驚きました。何もいないと思っていたのですが、小〜中サイズのクマが田んぼに潜んでいたのです。
クマは私が来る前から田んぼにいて、私の様子を観察しており、背を向けるという”隙”が出来たので一目散にダッシュして逃走したのでしょう。もし、私を排除するために襲ってきたのなら、私はひとたまりもなかったでしょう。

クマスプレーの模造品に注意
クマ対策グッズで効果的な物の1つにクマスプレーがあります。
Amazonや楽天などで検索すればたくさん候補が表示されますが、正直どれを買えばいいかわからないでしょう。「とりあえず一番安いの!」これは一番マズイ考えです。クマ騒動に便乗して、不審者用に使う人用の催涙スプレーをクマスプレーと謳って販売している悪どい輩もいるようですので、正しい知識を身に着けて自分の命を守るクマスプレーを購入してください。
まず、クマスプレーの価格ですが、はっきり申し上げて高価です。安いものでも7,8千円、中には2万円近くするクマスプレーもあります。
クマスプレーの鉄板として知られるのは「カウンター・アソールト」です。私の持っているクマスプレーはカウンターアソールトではないですが、山での行動に備えて2種類のクマスプレーを持っています。
記事執筆前に、Amazonで熊スプレー(カウンター・アソールト)を調べてみたら、4万円を超えていて目を見開いて驚きました。
<Amazon カウンターアソールト ストロンガー 検索結果>
自分の命を守るためのクマ対策グッズとはいえ、4万円となると、消費期限はだいたい3〜4年ですので、1年1万で考えても高い買い物ですよね。こういう気持ちから安いクマスプレーを求め、3〜5千円程度の安物に手を出して、それが模造品でいざクマに使ってみたら効果がなかった…となったら一巻の終わりですね。
カウンターアソールトだか知らないが、流石にたけぇよ、という方に私の持っているクマスプレーを紹介します。
POLICE MAGNUM 熊撃退スプレー 中型 (全国の複数の国公立機関・地方自治体正式採用品/JSDPA認定品) B-609
日本護用品協会(JSDPA)認定品、全国都道府県の警察、国公立機関、地方自治体認定品で、ツキノワグマ専用のスプレーとなります。噴射距離5mで連続噴射時間は最大でも2.5秒になります。内容量105g
UDAP Pepper Power Bear Deterrent
アメリカ森林警備隊採用品で正規輸入品になります。噴射距離12m。内容量220g
どちらも5千円以上1万円以下で購入できるクマスプレーです(2022年、2023年購入時の価格なので値上がりしている可能性あり)。どちらも正式な機関において採用されているクマスプレーですので、怪しいものではないです。
あとおすすめなのは、
Lilima BEAR 【超強力 熊撃退スプレー】熊よけスプレー 熊スプレー 大容量 30秒連続噴射 ヒグマ対応
リリマベアも正規メーカで、通常は10秒前後が噴射時間のところ30秒も連続噴射できるクマスプレーとなっています。唐辛子成分カプサイシンの1.5倍濃度で噴射距離4〜7mで噴射時間30秒です。この脅威の噴射時間であれば、クマの複数回の襲撃の場合でも対応できるかと思います。
皆さん、クマスプレー偽物に騙されることなく、ちゃんとしたクマスプレーを買うようにしましょう。
クマスプレーの仕様と使い方
「クマが出たらスプレー噴射でしょ?」そうなんですけど、使うシーンや安全機構の解除など、いつ来るかわからないクマの襲撃に備え、クマスプレーを正しく携帯することからクマ対策が始まります。
まず、クマスプレーには誤噴射を防止するため、噴射レバーには安全機構(誤噴射を防ぐためのロック)が付いています。クマスプレーを噴射するには、その安全機構を引き抜いてから、噴射する必要があります。
それゆえ、必然的にクマスプレーの噴射まで1アクション増えることになりますので、クマが迫ってきている1分1秒を争う状況においてこの安全機構の解除は致命的となるでしょう。
よく、クマスプレー持っているよとリュックの奥底にしまい込んでいる人や、手がすぐ届かない背中に背負ったリュックの脇に差したままの人を目にします。
クマが向かってきた時、「ちょっと待って!」と人の言葉は通じませんので、容赦なくクマから重い一撃をプレゼントされるでしょう。
そのため、クマが潜んでいそうな場所、夜に視界がほぼないけど歩かないと行けない場合などは、クマスプレーの安全機構を解除してクマスプレーの噴射レバーに親指を添えて、いつクマが襲撃してきてもいいように準備して行動しましょう。
ですが、ここで気をつけたいのは誤噴射です。最後に記述しますが、私もクマスプレーを誤噴射して痛い目にあいました。
ニュースで、クマスプレーを携帯していたが、クマに襲われた、という報道を目にしたことがあります。状況を直に見ていないのでなんとも言えないのですが、クマスプレーは持っていたけれど、安全機構は解除していなかった、いつでもクマスプレーを使用できる状態になかったのではないでしょうか。
冒頭にも述べましたように、クマ鈴やクマスプレーを買って身につけているだけでは、本当のクマ対策とは言えません。クマがいつどこからでも襲ってきても、無傷で生還できるように身構えておくところまで出来て、クマ対策と言うのではないでしょうか。
クマスプレー誤噴射の苦い経験
以前、私は栗林で安全機構を解除した状態でクマスプレーを構えていて、成獣のクマが2頭同時に現れたので危険と判断し、車に乗り込むときに誤ってレバーを押してしまい車の中がとんでもない状況になりました。
車に乗って逃げないといけないのに、唐辛子成分で車で息をするのが難しい、絶体絶命の状況でしたが、タオルで顔を覆い、なんとか安全な場所まで車で退避することができました。
クマに襲われた時の基本防御姿勢と倒れ込み後の行動
以前、私がダム湖に行った際、駐車場に車を停めて車から降りた時、「うゔ〜」と犬が唸るような音を聞きました。その時は姿を見ずに、そのままダム湖を見に行って、車に帰って来たときは唸り声をしなかったので気にしていなかったのですが、今にして思えばあれはクマだったのかもしれません。
クマは人にこれ以上近寄るな、と警告の意味を込めて威嚇することがあります。また、ブラフチャージといって、こちらに向かって突進してきて、手前で急停止して両の手で地面をバンバンッ!と叩く威嚇行為をします。クマが突進してきたので、恐怖からダッシュしてすぐ逃げてしまってはクマの本能を刺激してしまい、100%襲われてしまうでしょう。
とあるフリーのクマ研究者がクマに襲われた事件の負傷部位を調べたことがあったのですが、その結果、クマは襲ってくる時、顔付近を主に攻撃してくるそうです。具体的には、鼻や喉に噛みついたり、首などを爪で引っ掻いたり、パンチして攻撃してくるそうです。これは生き物の弱点を的確について、相手の動きを止めようというクマなりに急所を狙った攻撃だそうです。
また、クマが左利きかどうかはわかりませんが、クマの第一撃は左手で繰り出せれる事が多いのだそうです。人身事故では頭部から首にかけて受傷が集中していることは、クマが爪で引っ掻いてきたりクマパンチを繰り出してきた時に、クマの立ち上がっている高さが人よりやや低いため、ちょうど振りかぶった手の位置が頭部付近であることも関係しているかもしれません。
もし、クマと正対した状態でクマが左手で攻撃してきたとすると、両手で顔をガードして左回りにうつ伏せに倒れるとクマの攻撃を受けても致命傷を負う確率を下げることができます。うつぶせになった後も、首の後ろに手を回して、リュックなどを背負っているなら首付近にグッと引き寄せて、とにかく頭と首をクマの攻撃から守ってください。こうすることで万が一、クマと遭遇して襲撃されても、致命傷は避けられるでしょう。
比較的近距離でクマと遭遇して硬直状態となった場合
ここまでは、クマと遭遇する前の回避行動と、クマとばったり出くわして襲ってきた場合の対処方法について紹介してきました。最後にクマと遭遇して互いに見つめ合って硬直状態になった場合の対応について説明します。
まずはクマから目をそらさないことです。クマはよく人と目を合わせてきます。ここで目を逸らして顔をふいっと背けようなら、クマは一目散に距離を詰めてきて攻撃されてしまいます。
クマとしっかり目を合わせた状態をキープし、少しずつ後ずさりして距離を取りましょう。また、近くに木や電柱、なにか身を隠す建物や植物があるなら、その後ろに見を隠しましょう。
フリーのクマ研究者は”木化け”といっていましたが、木などを手前に配置することで、もしクマが突進してきた場合でも、一枚防御壁が存在している状態なので、クマスプレーを確実に噴射する時間を稼げます。
あと、クマが視界に写っている状態で行動するときは、ゆっくりゆっくり、遅すぎないか?と思うくらいスローモーに動いてください。クマは素早く動くものにも反応してきますので、ゆっくり動けば、クマがビックリすることないですし、急に襲われる可能性も低いと思われます。
また、距離をとってクマから離れたと思って、急いでその場を立ち去ることは得策といえません。常にクマファーストで、怖いかもしれませんが、クマが移動して離れていったのを確認してから、クマが去った方向と反対方向にその場を離れるようにすることです。
人の往来が多い場所だったら、手間かもしれませんが警察に通報して、周囲の人々へも注意喚起してもらいましょう。
最後に
昨今、話題となっているクマ問題に関する報道を目にして、今回クマ対策に関する記事を書くことを決意しました。
私のこれまでのクマとの遭遇経験が、この記事を読んでくださった皆様のクマ対策に生きてくることを願っています。
私のブログでは、秋田の野鳥や野生動物などワイルドライフをテーマに撮影を行い、彼らの生態や生き生きとした姿を伝えることを目標に活動しています。
ツキノワグマに関する記事も以下のように執筆していますので、興味ありましたら、ご覧になってください。
また、Youtubeでは「いさむのクマ日記」と題して、主にショート動画で私が山で撮影したクマ動画を不定期投稿しています。クマが自然で生きる姿をご覧になりたい方はぜひこちらも覗いてみてください。
おまけ ~熊の印象~
最近「ツキノワグマが乗用車に向かって襲ってきた」などと題して、クマが人間や乗り物、家屋などを好き好んで襲う動物であるかのように印象付ける報道が散見されます。もしその報道が正しいのであれば、クマは積極的に人を襲うため、人里に降りてきて、もっとたくさんの被害者が出ているはずです。

しかし、年々クマによる人身事故の件数は増加傾向にあるものの、この件数=クマが好戦的に人を襲った数、とは言い難いです。これは、クマと遭遇した時、クマと人間との距離、クマの心理・行動、人の行動、クマの状況(子連れか否か)などによって、襲撃の有無が決まることと関係していると思われるからです。
クマと遭遇した時、人との距離が同じでも襲ってくるクマと、逃走を選択するクマがおり、クマが人を襲う条件を一意に定めることができないゆえに、クマと遭遇したときに実践したほうが良い有用な対処方法を提案しにくいのが現実です。
これまで私は山間部を中心に撮影活動に取り組み、およそ300頭のクマ(2025年11月時点)に遭遇しましたが、一度たりとも襲われたことはないです。むしろ、彼らと適切な距離を保ち、静かに行動することで、クマたちは野生の中に生きる一面を見せてくれます。
山で私がクマと遭遇した経験を活かし、一般の人々がクマと遭遇した場合に命を守ることができる行動を紹介できればと、日々思考を繰り返しています。

さて、話を報道に戻すと、クマが人を襲ったことが”事実”であることに変わりないため、それを正当化・正論として主張して世に発信するのは勝手ですが、その情報を受け取る人々のことをよく考えていますか?報道する際の表現次第では、その動物に対する印象は180°変わってきます。クマに関する知識のない、クマと遭遇しない街で暮らしている人たちがそういった知らせを見聞きすると、不安や恐怖を抱き、萎縮した生活を送らざるをえません。
実際に、私の住む秋田県では県外からの訪問が敬遠されている話をよく聞きます。◯◯大学に行きたいのだが、クマが出ているので学生を連れていけない。◯◯会社にご挨拶に関東圏から出張で来られるとき、会社の同僚に「秋田でクマ出てるけど本当に行くの?」、秋田県で開催予定であったイベントもオンライン開催を余儀なくされる。私からすると、クマは出ているには出ているのだが、真っ昼間にそこら辺の飼い犬みたいにハッハッハッて歩いているわけではないし、クマダスのクマ出没情報では本当かと思うものもあります。また、実際にクマに襲われて負傷した報道を見聞きして過剰じゃないのか?と思うことも多々あります。
私の経験上、クマを目撃する時は大体早朝と夕方の時間帯です。人が暮らすエリアではクマは夜行性になると言われていますが、これは里山麓の集落であっても、市の中心街であっても変わらないことを暗示していると思います。実際にクマを長い期間にわたって観察している人はごく少数で、一般人の方々はニュース報道を頼りにせざるを得ないのですが、そこで得られた情報はこれは現実に秋田で起きていることなのか?と混乱することもしばしばありました。
クマの出没に関する報道を、視聴者にインパクトを与えるために大々的な見出しで打ち出すのは、組織の事情とか、報道の自由とか、どんな事情があるのか知りませんが、これまでの報道を見ていると私の不安は募るばかりです。クマの人里への出没が社会問題となっている今、国民にとって”必要な情報”を届けることに主眼を置かず、TVの視聴率稼ぎ、Youtubeの再生数の増加、他のメディアを出し抜く、そういった目論見が透けて見えます。また、そのねじ曲がった表現でクマの印象が変えられる、いわゆる偏向報道と思われる知らせを見聞きするたびに、クマの知識を持つ者からすると苦い顔をせざるをえません。
遠方に住む人からすれば、◯◯(遠く離れた一度も行ったことない場所)にクマが出た、と聞いても正直関係ないですし、近所にクマが出たならばその情報はいち早く伝わってきます。また、付近を警察のパトカーが巡回して、クマが出没した旨の注意喚起もされるでしょう。
報道で危惧されることの1つに地名の表示・報道があります。地名を表示して大々的に報道しても、誰のための情報発信であるのか、疑問に思います。国民の皆さんには知る権利があるから我々はそれを伝えているだけだ、お前らとは違うんだよ、とあるメディア関係者が私に向かってそのようなことを言ってきました。これには私も開いた口が塞がりませんでした。なんて傲慢な考えなのでしょうか。同じ人として、とても恥ずかしく思います。
さらに、そのクマ出没情報に取ってつけたように、クマ鈴を持って、明るい道を歩きましょう、などクマの心理・行動に詳しくない”誰でも言えるような”簡単なクマ対策を紹介するだけでは、その情報にどんな価値があるのか理解に苦しみます。
こういった報道こそが現代社会の問題を浮き彫りにしているとともに、その道の現状をよく知る人々が効果的な情報発信をする、良い動機づけにもなります。現代社会は誰もがSNSなどのプラットフォームを介して情報を伝達することができる超情報化社会に突入しています。個人での情報伝達は、メディアなどに比べれば伝わりにくいですが、誤解を招くような正しいのか正しくないのか分からない情報を声高らかに発する方々にも負けず、真に世の中の理を理解している方々が、真に価値のある情報を必要とする人へ届くことを切に願っています。
せっかくここまで読んでくれた皆さんにおせっかいついでにもう1つ言わせてください。
様々な情報媒体から知識を習得するのも大事ですが、その得た情報が本当なのか、正しいのか、自分の頭で考えることが今後大事になってくると思います。特に、二次情報は鵜呑みにせずに、必ず一次情報を確認してその情報の真偽を判断できるようになってください。
最近私が問題視しているのは、正しくない情報でも組織が巨大であったり、影響力の強い方が発信すると、不思議なことにその正しくない情報があたかも正しいように扱われることです。正しくない情報が大勢の方に発信されて、それを信じ込んでしまい、いつしか間違っているのに正しいような意味不明な状況になっていることも散見されます。
生成AIも登場して超情報化社会に突入しつつある現代において、よりたくさんの情報を簡単に入手できるようになりました。ただ、その情報が正しいかどうかは、皆さんの頭でしっかりと考えることが大事になります。その正しくない、怪しい情報を信じて行動に移した結果、最悪の結末と辿ってもネットやメディアは責任をとってくれませんよ。自分の人生は自分の頭で考えて、決めるようにしましょう。
最後に、この文章はAIで作っていませんので、ご安心を。
これまでに私が読んだツキノワグマの知識を深めるための書籍
- ツキノワグマのすべて、小池伸介著、澤井俊彦写真提供、分一総合出版、2022年出版 ★おすすめ★
- ツキノワグマの生態学、信州大学山岳科学総合研究所、オフィスエム、2011年発行
- わたしのクマ研究、小池伸介著、さ・え・ら書房、2017年出版
- ある日、森の中でクマさんのウンコに出会ったら、小池伸介著、辰巳出版、2023年出版
- 人を襲うクマ、羽根田治著、山崎晃司解説、山と渓谷社、2021年出版
- 人狩り熊、米田一彦著、つり人社、2018年出版
- ツキノワグマ、宮崎学著、偕成社、2006年出版
- 「クマの畑」をつくりました、板垣悟著、地人書館、2005年出版
- ツキノワグマを追って、米田一彦著、小峰書店、1994年出版
- ツキノワグマ、山崎晃司著、東京大学出版会、2017年出版
- 滅びゆく森の王者ツキノワグマ、皮膚件哺乳動物調査研究会編著、岐阜新聞・岐阜放送、1993年発行
- 山でクマに会う方法、米田一彦著、山と渓谷社、2011年出版
- ツキノワグマのいる森へ、米田一彦著、丸善、1999年出版
- クマが樹に登ると、小池伸介著、東海大学出版会、2013年出版
- 写真集 秋田市にはクマがいる、加藤明見、無名舎出版、2018年出版
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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